診療科・部門

放射線治療科

診療内容

基本的には内科や外科が主治医科となり、疾患によっては抗がん剤を併用しながら、放射線治療の部分を当科が担当します。前立腺がんや乳がんの術後照射など一部の疾患では、他院から直接ご紹介いただき放射線治療を行うこともあります(当科では入院病床を持っていないため、入院対応が必要な場合には主治医科とご相談させていただきます)。

初回の診察後、必要に応じて採血や画像検査などの諸検査を追加させていただく場合があります。治療方針が決まったら治療計画CT撮影を行い、コンピュータを用いて放射線治療計画を作成します。実際に治療が開始となるのは、病気の種類や状況によって異なりますが、通常は治療計画CT撮影の2日後前後となります。定位照射やIMRTの場合、1~2週間後の治療開始となります。

原則として放射線治療は、1日1回(10~15分程度)、平日月曜日~金曜日(土日・祝日はお休み)、合計25~35回程度(5~7週間)の通院治療となります。治療回数は病気の種類や進行度、全身状態、治療目的によっても大きく変わります。転移性骨腫瘍に対する疼痛緩和目的の照射では1回のみの放射線治療を行う場合もありますし、定位放射線治療では数回で治療が終了します。放射線治療中は定期的に診察させていただき、状態に応じて放射線治療の範囲や回数を変更させていただく場合もあります。

放射線治療についてもう少し詳しく知りたい方は、こちら(がん診療センターのページ)をご覧ください。

放射線治療技術部門

放射線治療技術部門

放射線治療は、ほとんどすべてのがんの治療に用いられます。
がんには、上皮性の悪性腫瘍であるがん腫(肺がん・乳がん・胃がんなど)、非上皮性の悪性腫瘍である肉腫(骨肉腫・横紋筋肉腫・脂肪肉腫など)、また造血器にできるもの(白血病・悪性リンパ腫・骨髄腫など)があり、その多くが放射線治療の対象疾患となっています。
放射線治療のみ、あるいは手術や抗がん剤治療を組み合わせながら、治癒を目指したいわゆる根治的な治療から、疼痛や出血といった腫瘍の進行に伴うつらい症状を和らげる緩和的な治療まで、がんに関連する幅広い段階が、放射線治療の対象となります。また、頻度は少ないですが、がんではない良性疾患(バセドウ眼症やケロイドなど)に使用されることもあります。
基本的には全身のあらゆるがんの多くが放射線治療の対象となりますが、当科で扱うことの比較的多い疾患について、簡単にご説明させていただきます。
 

頭頸部がん

この領域のがんのほとんどは、放射線治療の良い適応となります。放射線治療ではがんの治癒(根治)を目指すだけではなく、機能・形態の温存が図れることが大きな特徴です。早期の喉頭がんでは放射線治療のみで根治を期待できます。その他のがんでは、腫瘍内科に抗がん剤治療を行なっていただき、化学療法併用の放射線治療を行う場合もあります。進行がんでは、手術後の放射線治療(術後照射)によって局所再発の予防が期待できます。
 

乳がん

腫瘍摘出後の残存乳房へ放射線治療を行う乳房温存術後照射が多いですが、進行がんに対する術後照射(胸壁および鎖骨上領域への照射)も行なっております。また局所で進行した乳がんに対する緩和照射(出血や疼痛、匂いといったつらい症状を和らげる目的での放射線治療)も行なっています。
 

食道がん

内視鏡内科・消化器内科・消化器外科・腫瘍内科とのキャンサーボードで治療方針を検討し、適応のある患者さんには腫瘍内科で抗がん剤治療を行なっていただきながら、化学放射線治療を行なっています。手術できない進行した食道がんに対しても、通過障害や出血といった症状を緩和する目的で、放射線治療が用いられる場合もあります。
 

肺がん

手術不能の肺がんでも、放射線治療で症状の緩和だけでなく延命効果が期待できます。手術をされない場合には、根治的な放射線治療を目指します(抗がん剤治療との併用)。また、手術後の再発を抑制するために放射線治療を行う場合もあります。早期の小さな肺がんに対しては、ピンポイント照射(定位放射線治療)を行なっています。ピンポイント照射の場合には、呼吸で腫瘍が動く場合でも、呼吸に合わせて照射できる治療装置を用いて、放射線の照射される範囲をできるだけ小さくすることで、副作用を抑えることが可能です。
 

消化器がん

膵臓がんや、その他の消化器がんのリンパ節転移による疼痛の軽減にも、放射線治療は有効です。また、手術後の局所再発を減らす目的で、直腸がんの術前化学放射線治療も行なっています。そのほか、治療が困難となった肝細胞がんに対して、定位放射線治療も行なっております(ただし肝臓の予備能がある程度保たれていないと安全な治療が行えず、患者さんの状態によって治療が難しい場合もあります)。
 

前立腺がん

基本的には、低リスク前立腺がんに対しては放射線治療単独、中~高リスク前立腺がんに対してはホルモン療法を併用した根治的放射線治療を行なっています。ホルモン療法は、紹介元の病院や佐久総合病院・佐久医療センターの泌尿器科で行なっていただいております。主にトモセラピーを用いたIMRT(強度変調放射線治療)での治療を行なっています。手術後の病理所見によっては術後照射、あるいは手術後のPSA再発(再燃)に対して救済放射線治療を行う場合もあります。
なお、小線源治療(シード125の永久挿入療法)については当院では行なっておらず、適応があり希望される場合には、主に長野市民病院で行なっていただいています(外部照射との併用が必要な場合は、外部照射は当院で行い、小線源治療のみ長野市民病院で行なっていただく場合があります)。
 

婦人科領域のがん

子宮頸がんは化学放射線治療で根治が期待できる疾患であり、外部照射と内部照射(RALS)を組み合わせた治療を行います。当センターではCT同室設置型のRALS装置を導入しており、進行した症例に対しても組織内照射を組み合わせたhybrid照射を行うことによって、高い局所制御効果が期待できます。手術後の患者さんでは、病理所見によって術後の再発予防に骨盤リンパ節領域への放射線治療を行う場合があります。
 

皮膚がん

手術の難しい場所や、超高齢者に発生した皮膚がんに対しては、放射線治療もよい治療手段となります。
 

脳転移

脳転移の個数や病変の大きさ、脳以外の病気の状態などを考慮して、全脳照射、あるいはリニアック(Clinac iX)またはTomotherapyを用いた定位照射、あるいはそれらを組み合わせた治療を行なっています。
 

骨転移、出血予防といった症状をやわらげるための緩和照射

原発部位によらず、骨転移による痛みに対しては、7~8割程度の患者さんで、疼痛の軽減または消失が得られます。そのほか、局所進行乳がんによる疼痛や出血、消化器がん(食道がん・胃がん・大腸がんなど)や肺がんによる出血・狭窄症状などに対する緩和的な放射線治療も、患者さんの希望や体調に合わせて、主治医科や緩和ケア内科と連携しながら、積極的に取り組んでいます。

  • 大久保 悠

    部長

    大久保 悠
    専門分野

    放射線腫瘍学

    取得資格

    日本医学放射線学会 放射線治療専門医・研修指導者
    日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
    第1種放射線取扱主任者
    医学博士

    所属学会

    日本医学放射線学会
    日本放射線腫瘍学会
    日本癌治療学会
    日本食道学会
    日本肺癌学会
    日本緩和医療学会
    日本頭頸部癌学会

    卒業年

    卒年2006

  • 医師

    関口 慶仁

受診について

佐久医療センターは紹介型・
予約制の病院です。

ご本人ではなく、かかりつけ医を通じ、事前に紹介状を送ってください。

診療日

  • 平日 8:30~17:00

休診日

土曜日・日曜日・祝日・年末年始

平成丸ゴシック Std

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