今回は、乗り物酔いについてお話しましょう。
 旅行に出掛けてもバスに酔ってしまい、観光も食事もできず、一人で苦しんでしまったことはありませんか。多くの人は、吐き気や嘔吐(おうと)、脱力感など、乗り物酔いを子どものころに経験していると思います。
 耳の中に平衡感覚をつかさどる器官があるのですが、景色が不規則に揺れることで、自律神経に影響を及ぼすことが原因と考えられています。
 東洋医学では、原因を五臓六腑(ろっぷ)の中の心と胃の影響と考えます。心は精神や意識に関係。バスに乗ると、また具合が悪くなるのではないか…などと考えると起こるのです。
 胃のエネルギー(胃気)は食物を消化する働きとともに、ゆっくりと胃の内容物を下げていく働きもあるのです。胃気が弱いと、吐き気や嘔吐を引き起こすことになるのです。
 こんなときのつぼは「内関(ないかん)」で、心を守る「心包径」に属します。心を城に例えれば、心包径は周囲を守っている城壁に当たります。心を攻めてくる邪気を食い止める役目をしているのです。心を安定させ、気持ちを落ち着かせます。
 内関は手のひら側で、手首のしわ中央から指3本分の所に取ります。刺激方法は出掛ける日の朝、米粒をテープで張り付けてください。そして気付いたときに、上から指で何回か指圧を繰り返し行ってください。
 このつぼで効かない人はお米大のお灸(きゅう)を、両足の親指の真ん中に熱さが感じるまで何回か行います。乗り物酔いは、それで解消されるでしょう。