今回は痔(じ)の話をしましょう。痔にはいぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛=れっこう)、あな痔(痔凄=じろう)などがありますが、その中で多く見られるいぼ痔についてです。
 原因は肛門部の血行不全です。立ちっ放し、座りっ放しの仕事をしている人がなりやすいのです。肛門の内側にできる内痔核と外側にできる外痔核があり、大半は内痔核で苦しんでいます。
 初期症状は排便時に出血が見られ、次にいぼが肛門の外に飛び出し、痛みを伴います。ひどくなると排便後もいぼが出たままになり、激痛と不快感で悩まされ、下着を汚すようになります。
 東洋医学では、エネルギーの気が足りなくなることと、血が滞る「お血(おけつ)」による血行障害が原因と考えます。気の働きには、(1)血液やリンパ液をスムーズに流す、(2)器官の中にある尿や便、血液などを漏らさないようにする、(3)内臓を落ちないように上げておく、などがあります。この働きが弱くなった時にいぼ痔は起きるのです。
 こんな時のつぽは「百会(ひゃくえ)」「大腸愈(だいちょうゆ)」「腰愈(ようゆ)」。百会は耳の一番高い所を結んだ線上で頭のてっぺんにあり、つぼとつぼを結ぶ経絡がすべて集まるつぼです。臓器や器官を引き上げる働きもあります。
 大腸愈は腰骨を結んだ線上で、背骨から指2本分左右外側に取ります。腰愈は尾骨先端からほぼ指2本分上にあります。これらは骨盤内の血行不全を改善し、激痛も和らげます。刺激方法はしょうが灸(きゅう)が良いでしょう。毎日やサてみてください。
 日常生活では肛門部を清潔にして、少し熱めのお湯でお尻の部分浴を。同じ姿勢を取らないよう心掛け、からしやわさびなど刺激物を避けましょう。食物繊維を取り、便秘予防も必要です。