今回は、せきとたんについて話しましょう。
 風邪の症状が軽くなっても、せきやたんだけが残る方が多いと患います。原因には咽頭(いんとう)炎、気管支炎、気管支拡張症などが考えられます。東洋医学的に考えると、良くなったように見えても五臓六腑(ろっぷ)の機能は完全復活をしていないのです。
 五臓六腑の肺の働きは呼吸だけでなく、のど、鼻、皮膚までも調整しています。さらに空気中からエネルギーである気を吸い込み、下にある腎に静かに降ろし、気をとどめるのです。腎の力でせきを出さないようにしているので、腎の働きが落ちて気をとどめられないと、せきが出るのです。
 また、肺は常に湿気で満たされていなければなりません。風邪で熱が出ると、消火に水を掛けるのと同様、体内の水(体液)を使って熱を下げます。この影響で肺の中の水が足りなくなると、空せきが出るのです。
 たんが出る一番の原因は外からの刺激(喫煙・受動喫煙)で、気管支などに影響を及ぼしているからです。周りでせきやたんに苦しんでいる人がいたら、禁煙が大切です。
 まず、「尺沢(しゃくたく)」と「定喘(ていぜん)」でせきを止め、「列欠(れつけつ)」で肺の機能を高めてたんを切ります。次に、腎の経絡に属する「復溜(ふくりゅう)」を刺激し、水をとどめます。
 前回も登場した尺沢は、ひじの内側で力こぶの筋の外側でしたね。定喘は首を曲げた時に出る大きな骨のすぐ下の両側5分(親指半分の幅)の所にあります。
 列欠は、手のひら側で手首しわの親指側から指2本分の所。復溜は、内くるぶしの後ろにある太けい(たいけい)の指2本分上に取ります。刺激方法はしょうが灸か、ソフトなお灸を毎日行ってください。