今回は、下痢や腹痛、食欲不振を起こす風邪について話しましょう。
 この風邪は外からの邪気(寒さ、乾燥、熱、湿気、風)が、口や鼻から直接体内に入り込んでしまうタイプです。
 寒さや風、熱などが複雑に結び付いて体の中で湿気(痰湿=たんしつ)を生じ、気・血・水の流れが悪くなるのです。粘りのある白や黄色のたんが出て、のどや節々の痛み、頭痛を引き起こし、胃腸の調子を狂わせます。下痢や食欲不振を起こすのは、そのためです。
 発熱もあります。外からの邪気と体の中の正気(せいき=免疫力)との正邪闘争が行われ、熱が出るのです。邪気が勝てば大風邪、正気が勝てば風邪は治るというわけ。
 こんな時に登場するつぼは「陰陵泉(いんりょうせん)」「尺沢(しゃくたく)」「大椎(だいつい)」です。
 体の中に入り込んだ痰湿は粘りがあり、取り去ることがなかなか難しいのです。まずは、しつこい痰湿を陰陵泉を刺激して取り除き、胃腸の調子を整えましょう。次に肺の機能を尺沢で調整し、大椎で発汗を促します。
 陰陵泉は、ひざの内側の膨らんだ骨の下のくぼみに取ります。尺沢は、ひじを少し曲げたときに出る力こぶの腱(けん)の外側に取ります。大椎は、首を曲げた時に出る大きな骨のすぐ下に取ってください。それぞれ、しょうが灸か、ソフトなお灸を1日2回以上試みてください。
 おなじみの「合谷」「外関」「列欠」「足三里」も加えてください。合谷は、手の甲の親指と人さし指の骨の合わせ目に、外関は手の甲側で手首のしわ中央から指3本分の所にあります。列欠は手のひら側で、手首しわの親指側から、指2本分の所で骨の上に。足三里は、ひざのお皿上部に親指を、親指と直角に人さし指を当て、中指の当たる所に取ります。