今回は、手首の痛みと腫(は)れについてお話ししましょう。
 農家はこの時期、キャベツやレタスなどの出荷で忙しく、猫の手も借りたい状態だと思います。ついつい無理をしてしまいますね。不自然な姿勢で長時間作業をするため、足腰の痛みや肩凝りなどに次いで痛みを起こすことが多いのです。
 1953年に開かれた第2回日本農村医学会で、佐久総合病院の若月俊一先生が、農村に多い病気として、手首の痛みから起こる腱鞘(けんしょう)炎「こう手(で)」について日本で初めて発表しました。田植えや草取りなどでの無理が原因で、昔からあった病気なのです。
 腱は刀、腱鞘をさやに例えると、腱鞘炎はさやにごみがたまったり刀がさびたりして、刀が抜きにくくなった状態といえます。普通は、潤滑油である滑液の働きで腱の滑りが良いのですが、手の使いすぎによって腱や腱鞘が炎症を起こし、腫れるとスムーズに動かなくなり、痛みが出るという
わけです。
 こんな時は「つぼ陽けい」(ようけい)、偏歴(へんれき)を使います。陽けいの位置は手の甲を上にし、指を思い切り開いた時にできる手首の親指側のくぼみに取ります。偏歴は手首から指4本分上に取ります。
 刺激方法は、しょうが灸を試してください。テーピングやリストバンドでの固定も有効ですが、できれば安静が一番です。