私たちは日ごろ、痛みを感じることが多いですね。仕事や運動などで、骨や関節、筋肉が限界を超えそうになると、体は「痛み」という形でサインを送ってきます。肩が痛い、足腰が痛い、頭が痛い、などさまざま。
 このとき休息を取れば早く回復するのですが、人間はなかなか休むことをしません。
 野生の鹿は野山を駆け巡りすぎると関節がはれることがあるそうです。こんな時は静かに飲まず食わずで何日か過ごし、痛みのなくなるのを待つようです。
 が、人間はどうにかして痛みから逃れようとして鎮痛剤を飲んだり痛み止めの注射をしたりします。しかし、鎮痛剤は痛みの感覚を遮断しているだけで、損傷部位を治すわけではありません。薬の効果が切れると動かした分だけ損傷が大きくなり、もっとひどい痛みとして返ってきます。
 鍼灸(しんきゅう)治療では痛みの感覚を遮断しながら、人間の自然治癒力を高め、損傷部位を治すこともしているのです。
 患者さんには、鍼灸をしても何日かすると痛みが出てしまうという人もいますが、鍼灸は痛みの根源を治しつつ体全体を調節していくのです。
 治療後2日目に痛みが出た場合、2日間の動きには耐えられるがそれ以上は無理だよ、という意味で体が痛みで警告を出しているのです。昔から「痛いのは生きている証拠」といい、体を守るのに必要なものなのです。