診療科・部門

放射線診断科

診療科の特色

放射線診断科は、CT、MRI、PET/CT、SPECT/CTなどの機器を用いて、画像診断を行っています。

診療内容

画像診断の進歩

CT、MRI、PETなどの機器を用いた画像診断は、情報工学などの進歩に伴い近年目覚ましく進歩しています。画像の精度が向上し検査時間が短縮されました。これら主要な画像診断の発展と普及によって、画像診断が診療に占める比重は従来以上に大きくなり、現在の医療において、画像は不可欠なものとなっています。

放射線診断医の役割

画像診断の進歩によって早く正確に疾患の診断ができるようになり、適切な治療選択がなされるようになりました。放射線診断医はその中心的な役割を果たしています。
検査で得られる画像の種類や数量は年ごとに増加しており、患者さんを前に診療を行っている各診療科の医師が、それらの画像をくまなく評価することは困難です。したがって画像を的確に評価して診断する放射線科医の責任は重大になっています。
放射線科医は、病気の診断や治療について病院内の各科の医師たちと常にディスカッションしています。各科の医師が専門的な立場から経験や知識を出し合って、患者さん中心の診療を実践しています。

放射線診断医の取り組み

当院では、4名の放射線診断専門医が診療に従事しており、安全かつ円滑に検査を実施し、適確な画像診断を行うことを第一にしています。また、当院は病診連携を重視しており、院外から紹介していただく患者さんには、高機能診断センターを通して検査を実施しています。
スムーズに検査を受けていただく仕組みを構築し、スタッフは患者さんが不安を感じずに検査を受けていただけるよう心がけています。
紹介していただいた患者さんの検査報告書は、画像とともになるべく早く紹介してくださった医療機関にお返ししています。

画像診断を活かした治療を行っています

RI内用療法(内照射療法)を行っています。
この治療は、病巣に指向性のある薬品に細胞を破壊する放射線同位体(RI)を結合させた治療薬を患者さんに注射あるいは内服していただき、病巣だけを治療する技術です。
バセドウ病などの甲状腺疾患の治療、悪性リンパ腫、前立腺癌骨転移に対する治療を行っています。

実施している主な検査と治療

CT検査

320列CT1台、256列CT1台、80列CT2台のCT装置を装備しています。320列CT、256列CTは全身の検査を行いますが、心臓の精密検査には特に威力を発揮します。動きのある心臓を高速かつ広範囲に撮影できるため、冠動脈の狭窄などを正確に診断できます。

MRI検査

3T(テスラ)のMRIが2台、1.5TのMRIが1台で検査を行っています
脳梗塞や脳腫瘍などの脳神経疾患、肝臓や膵臓などの腹部疾患、婦人科領域や前立腺など骨盤内の疾患、骨や関節などの疾患の診断には、特に有用な検査です。MRIは造影剤を用いずに血流を見ることができるため、動脈瘤や動脈の狭窄の検出に役立ちます。3T の装置は1.5Tよりも精密な画像が得られ、より正確な診断が可能です。病巣の性質や状態をより詳細に診断する手法が開発され、病巣の生化学的な分析や組織の潅流や拡散などの指標から腫瘍や血管障害の診断を行います。

PET/CT検査

PET/CTは主にがんの診断に使われます(詳しくはPETの保険適用を参照して下さい)。
がん細胞はブドウ糖をたくさん消費して増殖や転移をする特徴があります。ブドウ糖に放射性核種(RI)のフッ素(18F)を結合させた診断薬(FDGといいます)で全身のがんを診断します。腫瘍の広がりや転移を診断して治療方針に役立てたり、再発の有無を検索したりするのに有用です。
その他、心筋サルコイドーシスの病変検出や、虚血性心疾患の心筋バイアビリティの検出にも使われます

PETの保険適用(451.6KB)

SPECT/CT検査

前述のPET/CT以外に、放射性核種を標識した診断薬で臓器の機能や疾患の診断を行います。脳血流SPECTは認知症のタイプを診断するのに役立ちます。心筋血流SPECTは狭心症や心筋梗塞の治療方針の決定に役立ちます。その他、骨転移の診断、腎機能や肺血流の評価など、たくさんの検査があります。(詳しくは核医学検査を参照してください)

核医学検査(118.9KB)

RI内用療法(画像診断の原理を活かした治療法です)

RI内用療法(内照射療法)を行っています。この治療は、細胞を破壊する放射線同位元素(RI)を患者さんに投与して、病巣だけを治療する技術です。画像で病気の部位を診断できることを、治療に応用したものです。バセドウ病や甲状腺がんの治療、悪性リンパ腫、前立腺癌骨転移に対する治療を行っています。
バセドウ病や甲状腺がんの治療は、131I(ヨード131)という放射性のヨードを用います。131Iは海藻類に含まれるヨードと同じように甲状腺の細胞に取り込まれます。取り込まれた131Iは、β線という放射線を放出します。この放射線が腫大した甲状腺や甲状腺がんの細胞を破壊します。
悪性リンパ腫の治療は、低悪性度B細胞性リンパ腫という種類の悪性リンパ腫に対して、90Y (イットリウム90)という放射性同位元素を、リンパ腫細胞に結合する性質のある抗CD20抗体という物質に結合させた、ゼヴァリンという名前の薬品で治療を行います。

前立腺癌については223Ra(ラジウム223)という放射線同位元素を用います。223Raは骨転移巣に集積し、取り込まれた部位からα線という放射線を放出します。この放射線により骨転移巣の治療を行います。

主な検査機器・装備

モダリティ・装置 スペック 名称 台数 製造
CT 320列 Aquilion ONE 1 CANON
256列 Revaluation Apex 1 GE
80列 Aquilion 2 CANON
MRI 3T Discovery MR 750W 2 GE
1.5T Signa HD-xt 1 GE
PET/CT Discovery 710 1 GE
SPECT/CT Symbia T6 1 シーメンス
サイクロトロン 12MeV HM-12 1 住友重機
PET薬剤合成装置 FDG自動合成装置 1 住友重機
多目的合成装置 1 住友重機
Hybrid OR システム Artis zeego 1 シーメンス
血管造影システム Allura Xper PD20 1 フィリップス
Artis Zee BA 1 シーメンス

お知らせ

放射線診断医を募集しています。

佐久総合病院グループは長野県東信の基幹病院として、地域医療を担っています。平成26年3月1日にオープンした佐久医療センターは、がん診療センター、脳卒中・循環器病センター、周産期母子医療センターならびにドクターヘリを備えた救命救急センターを有し、高度な専門医療に対応する放射線診断を行っています。
診断専門医4名が月間でおよそCT 2,000件、MRI 1,000件、PET/CT 170件、SPECT/CT 150件の検査を実施しています。血管造影検査ならびにIVRは、当該科の医師が実施しており、心臓カテーテルを含めておよそ180件です。検査件数が多いため、専門性や興味を優先し、遠隔画像診断を併用して無理のない読影体制をとっています。また、学会や研究会への参加を奨励しています。
日本医学放射線学会の放射線科専門医修練機関ならびに日本核医学会専門医教育病院に認定されていますので、専門医を目指す若手の先生も大歓迎です。
連絡をお待ちしています。

放射線診断科(TEL:0267-62-8181内線2550)
  • 市川 聡裕

    部長

    市川 聡裕
    専門分野

    放射線診断
    核医学

    取得資格

    日本医学放射線学会 認定放射線診断専門医
    日本核医学会 専門医・PET核医学認定医
    医学博士

    所属学会

    日本医学放射線学会
    日本核医学会
    日本放射線腫瘍学会
    日本IVR学会

    卒業年

    卒年1993

  • 医長

    粟田 さち子
    専門分野

    放射線診断

    取得資格

    日本医学放射線学会 放射線診断専門医・研修指導者
    日本核医学会 PET核医学認定医・核医学専門医

    所属学会

    日本医学放射線学会
    日本核医学会

    卒業年

    卒年2003

放射線診断科

午前
市川 聡裕
午後

年間実績

実施内容 外来 入院
CT 20,094 5,952 26,046
MRI 9,534 1,559 11,133
PET 1,249 58 1,307
RI 1,271 354 1,625
マンモグラフィー 2,857 65 2,922
一般撮影 42,298 21,817 64,115
血管造影 1,318 1,153 2,471
透視 1,914 1,483 3,397

検査をご紹介いただく際のご案内

検査のご依頼は、高機能診断センターにご予約ください。(TEL: 0267-88-7956)
詳細は高機能診断センターのページをご覧ください。

 

内用療法をご紹介いただく際のご案内

内用療法とは

RIを結合した薬品を体内に投与して治療を行うのがRI内用療法で、内照射療法とも呼ばれます。使用する薬品は病巣だけに集まる性質があり、正常臓器への障害が少ないのが特徴です。
バセドウ病に対するヨード(131I)治療は、内科的治療でコントロールが不十分な場合や副作用で治療を継続できない場合、手術後の再発の場合に最適な治療法です。
甲状腺がんで甲状腺の全摘術を行った場合の131Iによる残存甲状腺破壊(アブレーション)を行っています。
低悪性度のB細胞性リンパ腫の治療にゼヴァリンという薬品が使われます。再発または難治性の場合が適応で、Bリンパ球の表面抗原CD20に結合する抗体にRI(90Y)を結合させた薬品による治療です。この治療は当センターの血液内科に紹介してください。
内用療法は、いずれも適応症の中でなるべく早い段階で行う方が効果的です。放射線物質を用いるため、治療の際にはご本人およびご家族に対する注意があります。専門医が診察の際によく説明して治療を実施します。
 
 

バセドウ病

① 放射線診断科を受診して治療を行う場合
地域医療連携室(TEL: 0267-88-7316)を通して放射線診断科にご紹介ください。
 
② 放射線診断科を受診せずに治療を行う場合
地域医療連携室(TEL: 0267-88-7316)を通して核医学検査室(TEL:0267-62-8181 内線2553)にご連絡ください。担当医が治療のスケジュールをご相談いたします。通常は2週間のヨード制限と抗甲状腺剤など治療薬の中止後に123Iの甲状腺摂取率を測定して治療を行います。

 

甲状腺がん

アブレーション
転移のない分化型甲状腺がんで甲状腺全摘後に行います。地域医療連携室(TEL: 0267-88-7316)を通して放射線診断科にご紹介ください。診療日は診療担当医表の通りです。

 

悪性リンパ腫

再発および難治性のCD20陽性の低悪性度B細胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫が適応です。その他にも必要な適格条件があります。
地域医療連携室(TEL: 0267-88-7316)を通して血液内科にご紹介ください。

受診について

佐久医療センターは紹介型・
予約制の病院です。

ご本人ではなく、かかりつけ医を通じ、事前に紹介状を送ってください。

診療日

  • 平日 8:30~17:00

休診日

土曜日・日曜日・祝日・年末年始

平成丸ゴシック Std

  • 佐久総合病院グループ

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  • 小海分院・小海診療所

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  • https://sakuhp.or.jp/kenshu 佐久総合病院グループ研修医募集

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  • 佐久総合病院グループ看護部

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