【薬の見直し】薬の種類を減らすための検討(ポリファーマシー外来)

【薬の見直し】薬の種類を減らすための検討(ポリファーマシー外来)

ポリファーマシーとは

日本語に直訳すると「多剤服用」、「多くの種類の薬を飲んでいること」となります。

服用する薬剤数は60歳頃から増加し、75歳以上になるとますます増えていく傾向にあります。 服用する薬が6種類以上になると、薬が原因でふらつきや転倒骨折、薬剤性の腎障害などの有害事象が起きる頻度が高くなるといわれています。

問題となる「ポリファーマシー」とは、単に服用する薬剤数が多いことではなく、多くの薬を飲むことに関連した有害事象の発生や、内服の間違いなどの大きな問題につながる状態のことです。

多くの薬を飲むことになる理由

要因はいくつかありますが、年を取るとともに抱える病気が増え、高血圧、糖尿病、動脈硬化、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞などなど危険は高まり、結果として薬が増えます。

2つ目は、医学の進歩に伴い、一つの病気でも複数の薬を飲むことが増えてきたことです。
同じ効果の薬でも多くの種類があり、それらを併用することで効果を得られることが増えてきました。 結果的に薬が多くなることがあります。

さらに最近は、疾患ごとに専門医にかかるため、異なる医師から異なる処方を受けることが多くなります。 これらの結果として、6種類以上の内服薬を服用することになる患者さんが増えてきているのです。

薬に関連する有害事象

薬は肝臓や腎臓の働きによって、分解されたり無効化されたりして、体から排泄されていきます。 しかし、複数の薬が体内に取りこまれると、この働きが十分にできなくなることがあります。 さらに、この排泄機能は年齢とともに低下するため、飲み始めた頃は副作用の心配がなかった薬も歳月を経て副作用が出ることがあり、ときには生命に関わるようなこともあります。

例えば、ある種の痛み止めや利尿薬、降圧薬、ビタミンDなどは、腎機能を低下させる副作用があります。 これらが組み合わさると、腎障害が進行し、結果透析が必要になることもあります。

また、血圧の薬で歯肉炎になったり、神経の痛みを取る薬で足がむくんだりと、薬の目的からは想像しにくい副作用があることや、長いこと平気で内服していた薬の副作用がある時から出現する場合があることから、患者さんは何らかの症状が出現しても、それを副作用と認識できないことがあります。

ポリファーマシー外来を受診したい方

佐久総合病院(本院)南外来

場所:佐久総合病院(本院)南外来
第2・4 火曜日13時~(要予約)
対象:服用薬剤の種類が6種類以上の方

外来での流れ

  • おくすり手帳などをもとに、薬剤師が現在の内服薬を確認します。
  • 患者さん(ときにはご家族も交えて)と医師・薬剤師で、薬を減らすことができるかどうか話し合います。
  • 医師が各処方医に紹介状を作成し、話し合った結果を伝えつつ減薬の検討を依頼します。

問い合わせ先

佐久総合病院(本院)

0267-82-3131(代表)

平日 8:30~16:30

交換台に「南外来でポリファーマシー外来を受診したい」旨をお伝えください。