PET

がん診療における画像診断の進歩と役割

佐久総合病院グループ
PET/CT装置



CT、MRI、PETなどの診断機器は、近年急速に高度化し、当院も高性能の装置を導入して検査を行っています。画像診断は、がんの診療に不可欠なものとなっていますが、検査で得られる画像の種類や数量は増加し、各診療科の医師がそれらの画像をくまなく評価することは困難になっています。当院では3名の放射線診断専門医が、診療放射線技師や看護師などのスタッフとともに安全かつ円滑に検査を実施し、適確な画像診断を行っています。
検査結果をもとに、がん診療に関わる各科の医師たちが専門的な立場から経験や知識を出し合ってディスカッションし、治療方針を立てています。

PETの特徴と検査方法

がんの診断にはCTやMRIと同様、FDG-PET検査も不可欠な検査です。
がん細胞はブドウ糖を多量に消費して増殖・転移します。その特徴を利用し、ブドウ糖に放射性物質の目印を付けた検査薬(FDGという薬品)を注射して1時間後に全身の画像を撮ります。がん細胞の旺盛な代謝を画像化することが特徴です。


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PETは全てのがんに保険適用があります。

PETによるがん診断の目的

  • 病期の診断・・・がんの広がりの程度(病期)を診断
  • 良性と悪性の鑑別や悪性度の診断 ・・・高悪性度のがんは糖代謝が亢進しているため、FDGが高度に集積
  • 治療効果の判定 ・・・抗がん剤や放射線治療の効果があると、腫瘍細胞の代謝が低下
  • 転移、再発の診断

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肺がん(矢印)のPET/CT

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食道がん(青い矢印)とリンパ節転移(黄色い矢印)

PET検査によるがん診断の限界と欠点

PETは画像の分解能が低いため、内視鏡で診断する早期の胃がんや大腸がんなどは診断できません。また、正常でもFDGをたくさん取り込む脳やFDGの排泄経路である腎臓、膀胱のがんの診断には適しません。それらのがんの診断には、MRIなど適切な検査を行います。

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膵臓がん(矢印)のMRI